川崎 U-23 の可能性を選手編成から考えてみる
本エントリーは「川崎フロンターレ アドベントカレンダー 2018」の 9 日目として寄稿するものです。
こんにちは、とめ と申します。川崎フロンターレを応援して、12 年目です。
さて、昨年末に板倉選手、三好選手の期限付き移籍が噂された際に、
「川崎に U-23 があれば出場機会が自チームで確保できるのに」 とか、「リーグ優勝で得た理念強化金でU-23を作れ!」みたいなご意見を拝見したので、実際にどうなんだろうというのを考えてみました。
とはいえ、実際に色んなこと (資金や練習環境等) をまとめて考慮するのは難しいので、今回は選手編成の観点から考えてみます。
目次
1. トップチームに在籍する U-23 の選手数
2. U-23 チームでのアカデミー選手の試合出場数
3. アカデミーの規模 (U-18、U-15)
4. 結論
1. トップチームに在籍する U-23 の選手数
U-23 は、当然ながら23 歳以下の選手が出場することが前提です。
(オーバーエイジは 3 人)
そこで、先ずは23 歳以下の選手が U-23 チームを保有している各クラブにどれぐらい在籍しているかを調べてみました。
FC東京 : 32 人中、15人
ガンバ大阪 : 36 人中、19 人
セレッソ大阪 : 41 人中、16人
(※ 2種登録選手を除く)
これが多いのか少ないのかがわかりにくいので、川崎フロンターレの 23 歳以下の選手の在籍数も調べてみました。
川崎フロンターレ : 31 人中、6人
(※ 2種登録選手を除く)
フロンターレは U-23 チームを保有しないとはいえ、フロンターレと比較すると、どのクラブもやはり23 歳以下の選手が多いですね。
2. U-23 チームでのアカデミー選手の試合出場数
前項で、U-23 チームを保有しているクラブは、23 歳以下の選手を多めに在籍させていることはわかりましたが、とはいえ、トップチームの23 歳以下の選手だけで、J3 の 32 試合を戦っていくのは人数的に少し厳しいと思います。
そこで、どのクラブもJ3 の試合には、アカデミーの選手を 2 種登録して帯同、もしくは出場させていますが、どれぐらいアカデミーの選手が、U-23 の試合に出場しているのかを調べてみました。
30 試合
471 人中、135 人が、U-18 からの選手で構成。
1 試合平均 135 / 30 = 4.5 人を U-23 の試合に派遣。
30 試合
485 人中、12 人が、U-18 からの選手で構成。
1 試合平均 12 / 30 = 0.4人を U-23 の試合に派遣。
30 試合
488 人中、116 人が、U-18 からの選手で構成。
1 試合平均 116 / 30 = 3.86 人を U-23 の試合に派遣。
FC東京、セレッソ大阪の場合は、4 ~ 5 人程度毎試合、U-23 の試合に派遣してますね。
ガンバ大阪だけ他の2 チームと違って、ほとんどアカデミーの選手を使わずに、U-23 を戦っているのは、トップに登録している選手だけで戦う、という方針と考えられます。
3. アカデミーの規模 (U-18、U-15)
上述した通り、U-23 のチームを保有しているクラブの内、FC東京とセレッソ大阪は、アカデミー (U-18) から、1 試合平均 4 ~ 5 程度派遣してもらって、32 試合を戦っています。
それでは、 U-23 のチームを保有しているクラブのアカデミーの規模はどれぐらいなのでしょうか。こちらも調べてみました。
<FC東京>
FC東京 U-18 : 39
<ガンバ大阪>
ガンバ大阪ユース : 43
<セレッソ大阪>
セレッソ大阪ユース : 43
ここでも、川崎フロンターレのアカデミーと比較を行ってみます。
<川崎フロンターレ>
川崎 U-18 : 27
FC東京もセレッソ大阪もガンバ大阪も、フロンターレよりも、U-18 年代のチームの在籍人数は、10 人以上多いです。
FC東京やセレッソ大阪のように、アカデミーから、1 試合平均で 4 ~ 5 人以上の選手をU-23 の試合に派遣するためには、U-18 年代のチームに 40 人前後の登録が必要と考えられます。
さらに U-18 のさらに下の年代のチームを調べてみると、
<FC東京>
FC 東京 U-15 深川 : 52
FC 東京 U-15 むさし : 57
<ガンバ大阪>
ガンバ大阪ジュニアユース : 64
<セレッソ大阪>
セレッソ大阪 U-15 : 53
セレッソ大阪 西 U-15 : 50
セレッソ大阪 和歌山 U-15 : 51
<川崎フロンターレ>
川崎 U-15+ U-13 : 51
U-18 年代のチームで、40 人以上のチームを登録、運営するには、その下の年代 (U-15) のチームに登録している選手は、各々、109 人、64 人、154 人と、かなり大人数。
それに対して、フロンターレは、50 人程度で、この年代のチームもU-23を運用しているチームに比べると、かなり少ないです。
4. 結論
上述の通り、川崎フロンターレのアカデミーは、U-23 を保有しているクラブに比べると、少し人数的に少ない。
つまり、2 種登録の選手を使いながら、U-23 を戦うのは、時期尚早かなと考えられます。
2 種登録の選手を使いながら、U-23 を戦うなら、人数的にアカデミーの強化が必要ですね。
(勿論、質も保ちながらですが。)
では、ガンバ大阪のように、トップに 23 歳以下の選手を多めに抱えるのはどうか?
上記で書いたように、今年時点で、フロンターレはトップに23歳以下の選手は、6人しかいません。
1試合平均、15 ~ 16 人の選手で構成していることを考えると、仮に来年から参戦すると仮定すると、あと、10 人ぐらい、23 歳以下の選手を入団させる必要があり、少し無理があるかな、と感じます。
(しかも、今年で言うと、守田、脇坂、カイオは、来年 24 才になるので。。。)
と、いうことで、個人的には、フロンターレには、U-23 チームを保有するのは、時期尚早と考えています。
持つとしたら、アカデミー (U-15、U-18) の強化が必要ですね。
数年前に雑誌のインタビューで、強化部の方が、「個人の考えですが」 とことわりを入れつつ、U-15 のチームをもう 1 つ増やしたい、ということを仰っていたと記憶しています。
フロンターレで U-23 チームが、実現するとしたら、U-15 年代のチームが、もう 1 チームでき、U-18年代のチームがさらに強化されたころなのかな、と個人的には考えています。
以上です。
明日は、エルゴラの前番記者 竹中玲央奈さんの 「リアル「ここだけの話」を元住吉で開きました。のレポート」 です!